酵素は生命活動に欠かせない！酵素の種類と働き

最近、酵素というものが注目されています。現代の日本の食生活では、西洋化に伴って酵素が不足しがちだと言われます。酵素がどのように私たちの身体と健康にかかわっているのか、酵素の働きと種類についてまとめています。

「酵母」の中にある「酵素」

酵素は、現在でこそ、健康維持に欠かせない重要なものとして扱われるようになりました。しかし、その研究の歴史は比較的浅く、「酵素」という言葉自体が生まれたのは1878年のことです。

酵素は、酵母の中にあることが発見されました。酵母と言えば、食品を発酵させるものですよね。日本酒や納豆などの発酵食品を作るために、必ず必要となるのが酵母です。

酵素は、発酵食品以外にも多くのものに含まれています。ただし、熱に弱いので、加熱してしまうと食品からの酵素は摂取できなくなります。

主要栄養素と言えば、炭水化物、脂肪、たんぱく質の三大栄養素にミネラルとビタミンが加わって5大栄養素と言われます。ここには酵素は含まれていません。それは、酵素が発見された当初、酵素はたんぱく質のみで出来ていると勘違いされていまったことが原因のようです。

今では、酵素はミネラルとたんぱく質の組合わせで成り立っていることが分かっています。しかし、当時は「酵素＝たんぱく質」と発表されてしまったので、主要栄養素に「酵素」ではなく、「たんぱく質」が加えられたということです。

現在では、酵素は、食べ物の消化から、筋肉の運動、脳からの指令、身体の新陳代謝など、ほとんどすべての生命活動に関わっているということが分かっています。

栄養素を体内に吸収するためには、ミネラルやビタミンが必要だということはよく知られています。しかし、本当に主要な働きをするのは「酵素」であり、ビタミンやミネラルは酵素のアシスタント役をするという説が有力になりつつあります。

酵素は、ミネラルとたんぱく質から成っています。その組み合わせにより、現在分かっているだけでも3000種類の酵素が見つかっています。その3000種の酵素はみなそれぞれに異なる役割を持っていますが、大きく分けると次の3つに分類されます。

私たちの体内で作られる酵素には2種類があり、その一つが消化酵素です。文字通り、消化のための酵素です。口から入れた食物を消化分解する働きを持っています。

有名なものでは、唾液に含まれでんぷんを分解するアミラーゼ、胃液に含まれたんぱく質を分解するプロテアーゼ、膵液の中に含まれ脂肪を分解するリパーゼなどがあります。

人体の中で作られるもう一つの酵素が「代謝酵素」と呼ばれるものです。

代謝酵素の働きは、吸収された栄養を身体のすみずみの細胞へ届け、身体の中でうまく働くようにします。運動、呼吸、脳での思考、毒素の排出、肌の新陳代謝など、あらゆる生命活動に関わっています。また、身体の免疫力を高めたり、病気を治したりする力もあります。

これは身体の外にある酵素で、食品に含まれています。加熱されていない生の食べ物や発酵食品から摂取することができます。

これらの食物酵素を含む食べ物を食べると、消化を助けてくれます。お寿司や生の果物を食べると、お腹がすぐに楽になるようなきがするのも食物酵素が消化を手助けしているからです。

おもしろいのは、身体の中で作られる酵素は、個人差があるものの、あらかじめ決まっているということです。人の酵素をつくる能力には限りがあり、消化酵素ばかりを作っていると代謝酵素が足らなくなるのです。

これはどういうことかというと、たとえば食べ過ぎたり消化の悪いものばかり食べて、消化酵素が大量に作られると、代謝酵素が減少します。その結果、肌トラブルが多くなったり、胃腸の調子が悪くなったりします。

逆に、病気などで代謝酵素が必要とされると、消化酵素が減少します。このため、風邪などをひくと、食欲がなくなるというのです。

私たちの身体の中で作られる酵素の量は決まっているので、消化酵素を無駄遣いしないで、代謝酵素を増やすことが、健康維持には必要だと考えられています。そのためには、食物項を利用することも効果的です。

昔から、焼き魚に大根おろしが添えられるのは、大根おろしの中に消化を助ける食物酵素が多く含まれているからです。このように、ちょっとしたことで、身体の中で作られる酵素の働きを助けることができます。

最近の日本人の食生活では、酵素が不足しがちになってきているといいます。健康で長生きするためにも、酵素を含む食品を積極的にとりたいですよね。酵素を含むサプリメントもたくさん種類がありますので、それらを上手く利用するのも良いと思います。